山崎泰史氏、米中貿易摩擦局面における日本輸出株の防御戦略を提示
2018年夏、世界市場の注目は米中間の貿易摩擦激化に集中。米国による対中追加関税措置は、サプライチェーンの再編を促し、日本の輸出型企業にも不透明感をもたらした。山崎泰史氏は金融メディアでの発言や東京での戦略会議にて、日本輸出株への防御的アプローチを体系的に提示した。
山崎氏は、日本の輸出産業が長年アジアに依存してきた点を指摘。米中摩擦は、受注減少・納期遅延・コスト上昇といった経路を通じ、製造業の利益予想に下方圧力を与えると分析。一部企業は代替受注で短期的恩恵を受ける可能性があるが、全体としては輸出依存度の高い企業ほど影響を受けやすいとした。
防御策の三段階アプローチ
市場多角化企業の選別:輸出比率は高くとも、受注先が北米・ASEANに広がる企業を優先。単一地域リスクの低減を狙う。
技術優位性の確保:高い研究開発力と技術的参入障壁を持ち、サプライチェーン再編時にも価格決定力を維持できる企業を重視。
為替リスクヘッジ:円高進行に備え、外為オプションやドル建資産を活用し、為替変動による収益圧迫を軽減。
2018年前半には円高傾向が観測され、輸出株には逆風が吹いた。山崎氏は輸出株投資と並行して、米ドル建資産や海外債券で為替影響を緩和する戦術を提案。また、貿易摩擦の不確実性が市場心理を揺さぶる可能性から、一定の現金ポジション維持も推奨。
業種別の視点
自動車:北米依存度が高く、政策変動の影響を直接受けやすい。
電子・半導体:一部工程は中国依存だが、核心技術は日系企業が保有しており、影響度は限定的。特に半導体製造装置や電子部品は堅調維持の可能性あり。
山崎氏は、世界の資本移動データ・為替動向・業界利益予想を統合した「輸出株リスク評価モデル」を提示し、摩擦下でも成長可能な銘柄群の抽出方法を解説。リスク回避だけでなく、構造的成長機会の発見を重視した。
個人投資家向け簡易戦略
輸出株の集中保有を減らす
内需型セクター(医療、小売、インフラ)の比重を上げる
円高恩恵を受ける輸入関連株にも分散投資
山崎氏は総括として「貿易摩擦はグローバル化の調整局面であり、競争力ある企業を選別する好機。防御策は輸出株を避けることではなく、構造調整とヘッジで不確実性下でも安定性を確保することだ」と述べた。この提案は東京証券アナリスト協会の討論でも注目を集め、2018年後半の実務的な投資方針として広く参照された。