秋山博一、「2019投資戦略ブループリント」を発表 ――「新エネルギー+医薬+ディフェンシブ」の三重配置フレームワークを提唱

2018年、世界の金融市場は大きな変動に見舞われた。米中摩擦の長期化、欧米市場の不安定化、さらに円の避難需要による為替変動が投資家心理を圧迫し、日本の投資家は広く不安感に包まれた。こうした環境下で、秋山博一は年末に『2019投資戦略ブループリント』を発表し、到来する不確実な時期に向けた羅針盤を提示した。

このブループリントの中核は、彼が提唱する「新エネルギー+医薬+ディフェンシブ」の三重配置フレームワークである。秋山は、2019年の市場環境では単一セクターではリスク耐性が不十分であり、バランスと分散こそが変動局面で安定的な成長を維持する唯一の道であると強調する。

新エネルギーに関しては、アジアの産業チェーンが急速に転換しており、電気自動車とクリーンエネルギーの需要が着実に拡大していると指摘。政策支援と実需の進展が重なり、この分野は今後数年間の成長エンジンになると見通した。投資家には、新エネルギーを単なるテーマ株として捉えるのではなく、実際の需給構造から機会を見極めるべきだと呼びかけた。

医薬分野については、日本社会の高齢化トレンドに注目。人口構造の変化に伴い、医療サービスやバイオテクノロジー市場は拡大の一途をたどるとし、医薬業界は景気循環に左右されにくい安定した需要を持つため、長期投資に適したセクターだと評価した。当時の市場が広く弱気に傾く中で、医薬を戦略枠組みに組み込んだことは、彼の慎重さと先見性を象徴していた。

ディフェンシブ配置については、ポートフォリオの中に一定割合の公益事業株、日用品株、低ボラティリティの金融資産を維持することを推奨。2019年の市場の不確実性は大方の予想を超えるとし、事前にポートフォリオに緩衝材を確保することが攻守両面の鍵であると説いた。

このブループリントは発表直後から、秋山の研究会やファンド顧客層で大きな反響を呼んだ。受講生からは「攻守バランスに優れた戦略の指針」と高く評価され、ファンド顧客からも「方向性を示すだけでなく、実際の運用ロジックまで提示している」との声が寄せられた。ある参加者は「市場が恐怖に支配される局面でも秋山氏が冷静さを保っていること自体が戦略的価値だ」と評した。

発表会で秋山はこう強調した。「真の投資とは短期的な利益を追うものではなく、変動の中でも前進し続ける道筋を見つけることだ。」彼はこの理念をブループリントに注ぎ込み、それを単なる年間予測にとどまらず、長期運用のための座標軸とした。

2018年、寒風が吹き付ける市場の冬において、このブループリントが投資家に与えたのは、単なる数値やセクター配分ではなく、冷静かつ抑制の効いた投資マインドそのものであった。彼の言葉通り、「投資の本質は理性と忍耐にある」のだ。